おいしさとは

さくさく村では、自分たちの生産した農産物のおいしさや栄養価を客観的に表すことに努めています。
生産者は自分たちで栽培したものはおいしいと思いたいですし、他の生産者のものと比較する機会も少ないため、根拠のない自信と不安を抱えています。
そこで、生産者が客観的なデータを用いて「これはおいしい!」と自信を持ってお伝えするためのお手伝いができればと思っています。

おいしさの指標は、主に糖度と硝酸態窒素計測、細胞写真撮影、栄養価分析など行って確認しています。
おいしさを客観的に示すことは、自分たちの目標を設定することにもつながりますし、どんな農産物が本物なのかを知る手がかりにもなります。
分析結果が良かったから本当においしいのか、と疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。そのような方には、あくまでも”本物を目指す”ための参考としてご理解いただければと思います。

さくさく村の野菜

おいしさの測り方

糖度は、糖度計で計測します。糖度計ではかる糖度は、糖(グルコース、ガラクトースなども含む)、炭水化物やビタミン、タンパク質、硝酸態窒素などの可溶成分の合計値のことです。単なる甘さではありません。ちなみに、農産物の生育管理をするときにも、糖度計は使われ、汁液濃度の計測としても使われています。

硝酸態窒素は、硝酸イオンメーターで計測します。農産物の内に必要以上に硝酸態窒素が残留していると食べる人の健康に影響を与えると共に、苦みとして食味を悪くしたり、農産物の日持ちを悪くしたりすることが分かってきました。硝酸態窒素は、化学肥料にも有機質肥料にも含まれるもので、植物(農産物)に根から窒素として吸収され、体内でアミノ酸からタンパク質に代わり、細胞をつくる材料となります。

単純に糖度が高く、硝酸態窒素の値が低いものは、美味しいと感じます。また、糖度と硝酸態窒素のバランスによって、ビタミンの量が決まり、糖度と硝酸態窒素の差が大きいものほど、ビタミンCなどの含有量が多くなることが分かってきました。
野菜(トマトなどの果菜類、ほうれん草などの葉菜類、大根などの根菜類)によって、収穫時の糖度と硝酸態窒素のバランスが違います。また同じ野菜でも、四季などによって、糖度と硝酸態窒素のバランスが違ってきます。そこで、季節の平均値を基準として、糖度は基準値より高ければ良いとし、硝酸態窒素は基準値より低ければ良いと判断をしています。例えば、夏のほうれん草は、糖度が2〜3度あればおいしく感じますが、冬では10度以上ないと美味しく感じません。

※分析の協力は、株式会社メディカル青果物研究所にお願いしております。